― 作成の背景と理由 ―


どうすれば、より生徒のためになる指導ができるのか。

私は長年、予備校の現場で数学の指導に携わり、
高校生・高卒生を対象に
幅広いレベルを担当してきましたが、
長年に渡り、基礎レベルにおいて
責任を持つ機会がありました。
現在も対面での指導を続けながら、
教材の作成と動画制作に取り組んでいます。

指導を始めた当初、懸命に教えているにもかかわらず、
生徒の成績が思うように伸びない現実に直面しました。
教え方を工夫することに力を注いでいましたが、
一向に改善する兆しはありませんでした。
今振り返ると、それは栄養の十分でない食事を
懸命に提供するような状態だったのかもしれません。

指導法に行き詰まりを感じていたある時期、
参加した研修会での学びが、指導の方向性を
根本から考え直すきっかけとなりました。
その時から、
自分の中にある数学の知識を一つひとつ見直し、
再構築する作業が始まりました。

定義や基本事項をどのように理解するか。
多くの知識をどう関係させて整理するのか。
私の頭の中にあるイメージを、どうすれば、
生徒の中にも同じ形で築くことができるか。

その問いに長年向き合う中で、
理解の深さと思考の成長が結びついていると気づき、
自分が目指す教育の方向がはっきりと見えました。

長年の現場経験を通して再構築した数学の知識を伝え、
それを学ぶ生徒が自分の中に数学のイメージを築き、
それを通して考える力を獲得する。
それが私の目指す教育です。

こうした考えを、より多くの生徒に届ける方法として、
動画の形式が適していると考えるようになりました。
ちょうどその時期、予備校でシステム改革があり、
動画の必要性が現実の課題として浮かんできたのです。
内発的な思いと現場での必要性が重なり、
本格的な動画制作が始まりました。

書籍は読解力に左右されます。
対面授業は向き合える人数と時間に限りがあります。
動画であれば、内容を丁寧に構造化しながら、
場所や人数を問わず繰り返し届けることができます。

動画では個々に直接対応することは難しいですが、
生徒たちの疑問や要望を集め、
全体に還元できる形で教材に反映させることが、
より多くの生徒にとって有益になると考えています。

学習に不安を抱えている生徒が、
数学の考え方を理解することを通して、
自分で考える力を少しずつ伸ばしていく。
このサイトが、その歩みを支える場になれば、
それ以上のよろこびはありません。